営業との定例:そのリード、誰のもの
営業との定例、木曜
マーケ 四半期でMQLが三百二十件です。CPLは九百円台まで下がりました。CRMには全件入れてあります。
営業部長 入ってはいる。SQLになったのは二十六件。あとは学生と、展示会でノベルティ目当てに名刺を置いていった人。
マーケ チェックリストは広く取る設計です。リードマグネットですから。そこから三週間リードナーチャリングして、 ステップメールを五通、それから渡しています。
インサイド 私に来るのは、一通目のあとです。電話すると「ダウンロードしましたっけ」と言われます。
営業部長 リードスコアリングを見直して。二回ダウンロードでMQLなのに、役職はゼロ点なの。
マーケ ゼロではないです。軽いだけで。……バイヤーペルソナ、半年開いていませんね。お互いに。
営業部長 うちのお客さんは、四半期の予算を持っていて、判子を押せる人。それ以外には電話しない。
マーケ では調査レポートだけゲーテッドコンテンツに残して、チェックリストは開放します。 役職でセグメンテーションして、スコアの重みも変えます。
インサイド あとCRMに「どこから来たか」の項目をください。電話の前に、何を読んだ人か知りたい。
営業部長 開封率だけじゃ足りないからね。
マーケ 入れます。
営業部長 では、そういうことで。
両者は同じ言葉で話していて、それが助けになりません。「リード」の向こうに、マーケと営業では 別の人がいます。それを認めるのに三十分かかります。

リードの議論は、ペルソナで終わる
最初は数字の話。何件渡して、何件受け取ったか。メールとマグネットの言葉は、その数字がどこから 来たかの説明です。最後にもめるのはひとつだけで、誰をお客さんと呼ぶか。
MQLMQL (Marketing Qualified Lead)
関心と合致度から見て、マーケが営業へ渡せると判断したリードのこと。
ガイドを2本ダウンロードした時点で、その人はMQLになる。
マーケが報告に使う数字で、営業の不満もここから始まります。三文字で、定例がまるごと持っていかれる。
CPL(リード獲得単価)CPL (Cost Per Lead)
キャンペーンからリードを1件獲得するのにかかる平均費用のこと。
ウェビナー広告は電子書籍の広告よりCPLが安く済んだ。
マーケが誇り、営業には見えない数字。CPAと混同されますが、あちらは行動に払い、 こちらはまだ何もしていない連絡先に払います。
CRMCRM (Customer Relationship Management)
顧客の連絡先とやり取りの履歴を保管し、関係を管理できるようにするソフトのこと。
あらゆる電話とメールがCRMに残り、誰でも話の続きを引き継げた。
両者が出会う場所。渡したはずのリードの「どこから来たか」が空欄なのも、ここで判明します。
SQL(営業有望リード)SQL (Sales Qualified Lead)
営業が精査し、積極的に追う価値があると受け入れたリードのこと。
営業が予算を確かめ、そのMQLをSQLとして印を付けた。
営業の数字とマーケの数字。その差が、この定例の議題そのものです。
リードマグネットLead magnet
訪問者の連絡先と引き換えに差し出す、無料の資料や特典のこと。
そのチェックリストはリードマグネットとして働き、PDFとemailを交換した。
「ダウンロードしましたっけ」で終わる道の入口。ゲーテッドコンテンツと混同されますが、片方は餌で、片方は扉。
リードナーチャリングLead nurturing
見込み客が買う気になるまで、時間をかけて関係を育てていくこと。
リードナーチャリングが、予算がようやく付くまでブランドを頭の片隅に残した。
営業が「冷めた」と呼ぶのと同じ三週間を、マーケはこう呼びます。
ステップメール(ドリップ)Drip campaign
あらかじめ決めた順に、予定や引き金に応じて自動で送られる一連のメールのこと。
新規登録者はステップメールに乗り、1週間かけて製品を学んでいった。
ナーチャリングを裏側から見た姿。メルマガと混同されますが、メルマガは全員に一斉、こちらは一人ずつの時計で。
リードスコアリングLead scoring
合致度と行動でリードに順位を付け、営業が時間を割く価値のある相手を見せること。
リードスコアリングが、最も脈のある登録者を同じ日のうちに営業へ回した。
この定例で毎回もめる計算式。ダウンロードは何点、役職は何点。式を書く側が、誰をMQLと呼ぶかを決めます。


バイヤーペルソナBuyer persona
マーケの判断の指針にする、典型的な狙いの顧客像を描いたプロフィールのこと。
バイヤーペルソナが、学生ではなく多忙な創業者に向けて書くのだと思い出させた。
数字で決着がつかなくなったときに戻る場所。両者が昔いっしょに作って、それきり開いていない書類。
ゲーテッドコンテンツGated content
見せる前に情報を求めるフォームの後ろに、閉じ込めておくコンテンツのこと。
そのレポートはゲーテッドコンテンツで、emailを入れないと落とせなかった。
ファイルの前に置くフォーム。CRMに学生が並ぶのはこれのせいで、リードが動かないとき最初に外そうと言われるのもこれ。
セグメンテーションSegmentation
メッセージがそれぞれによく合うよう、読者層をいくつかのグループに分けること。
セグメンテーションで、離れた客と常連に別々の提案を送り分けられた。
定例を終わらせる落としどころ。リードを減らすのではなく、棚に分ける。バイヤーペルソナと混同されますが、 ペルソナは一人、セグメントは複数。
開封率Open rate
届いたメールのうち、受け取った人が実際に開いた割合のこと。
件名を鋭くしたら、開封率が数ポイント上がった。
マーケの報告に必ずあって、営業が信用しない数字。開いたことと、覚えていることは別です。

次の定例まで、四半期
スコアの重みは変わり、ペルソナは開かれ、CRMには項目が増えます。四半期後、同じ言葉で、 そのうち何ができたかが見えます。
質問と答え
マーケティングのほかの言葉は。
トピックのページに、150語すべて。ここにあるのは十二語で、ひとつの定例に出たぶんです。
なぜ英語が並んでいるのですか。
MQL、SQL、CPLは、CRMでも報告書でもアルファベットで書き、議論は日本語でします。 両方を並べておけば、当てずっぽうで探さずにすみます。
説明はどこから。
「デジタルマーケティング」のトピックから。アプリと同じカードです。

